遺言の基礎知識
昨今の相続の現状は?
こんな激しい会話が乱れ飛ぶ「我が家の遺産分協議の場」を想像してください。 まさに「骨肉の争い」そのものであります。 これが、昨今の「相続」ならぬ「争族」の現状です。 残された遺族が遺産を巡って争う「争族」は、絶対に避けなければなりません。 そのための唯一有効な手段は、「遺言書」を作ることです。
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遺言書を作るメリット
- 最大のメリットは「遺産分割協議書」を作る必要がないこと。
- 自分の思い通りの相続(財産の配分)が実現できること。
イ)相続権の無い兄弟姉妹・孫・嫁や知人にも、財産を与える(遺贈)ことができる。 ロ)法定相続分に拘束されることなく、財産を与える(相続・遺贈)ことができる。
- 相続税の大幅な税額軽減の特典を享受することができること。(税制は、円満相続を条件(「遺産分割」の完了と、「期限内申告」をした場合)に次の「税額軽減」という特典を付与しています。)
イ)配偶者の税額軽減特例 ロ)小規模宅地等の評価減特例
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「争族」のデメリット
- 「争族」となって「相続財産が未分割」のままで「期限内申告(10か月以内)」もままならない場合は、次のような「ペナルティー」が課せられることになります。
イ)無申告加算税 ロ)延滞税 ハ)配偶者の税額軽減特例の不適用 二)小規模宅地の評価減特例の不適用
- さらに骨肉の争いに発展し、申告期限3年を経過しても、「遺産が未分割」の場合は、次の「ペナルティー」が課せられてしまいます。
イ)配偶者の税額軽減特例の永久不適用 ロ)小規模宅地等の評価減特例の永久不適用
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主な「遺言書」の種類は?
- 自筆証書遺言
遺言者自身が書いた遺言書。証人が不要。紛失、隠匿、破棄の危険性あり。内容不備による法的無効の可能性あり。家庭裁判所の検認手続きが必要。
- 公正証書遺言
遺言者が内容を口述し公証人が作成する。二人以上の証人が必要。紛失、隠匿、破棄の危険性ない。遺言書の原本は公証人役場に保管。
- 秘密証書遺言
遺言者自身が書いた遺言書。遺言者が署名・押印、遺言書を封印、公証人が確認。二人以上の証人が必要。執行に当たっては家庭裁判所の検認が必要。
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「遺言書」を作る際の留意点
- せっかく作った「遺言書」が、法律的に不備であったり、細かい配慮(例えば、遺留分減殺請求権を巡る配慮)に欠けていたりで、結果として、争いの原因となるような火種を残しては意味がありません。次の点に留意して、「公正証書遺言書」を作ることをお薦めします。
イ)「特別受益」や「寄与分」に配慮した遺言書を作ること。 ロ)「遺留分減殺請求権」が行使されないように最大限配慮した遺言書を作ること。 ハ)「付言事項」の記載を絶対要件として遺言書を作ること。
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「完全な遺言書」五つの要件
- 「形式要件」に配慮を
遺言書には、「自筆証書遺言」「秘密証書遺言」以外に複数の遺言形式がありますが、「作成日」「名前」「押印」等形式要件を一つでも欠けば無効となります。「遺言無効」の争いを回避するためには、「公正証書遺言」の作成が望ましい。
- 「遺留分」に配慮を
遺言書の力は強大です。遺言書を作れば、法定相続分を超えて、遺言者の思いどおりに相続財産を配分(遺産分割)することができます。また、法定相続人以外にも財産を与える(遺贈)ことができます。しかし、無制限にこれを認めてしまうと残された遺族が路頭に迷ったり、骨肉の争いの原因にもなります。そこで法律は、法定相続人に遺産の一定割合の取得を保証する制度を設けております。これを「遺留分」といいます。遺留分侵害の配分をされた場合は、当事者は「遺留分減殺請求権」をもって権利の回復を訴えることができます。「相続」が「争族」に発展する原因はここにもあります。遺言書作成時には、「遺留分減殺請求権」制度の存在を年頭におくことが、慎重な対処としての重要な留意点の一つです。
- 「寄与分」に配慮を
寄与分とは相続財産の配分(遺産分割)の公平さを保つ制度です。例えば、相続人が子ども二人の場合、長男は父の事業に携わり父の財産形成に貢献し、次男はサラリーマンで貢献度ゼロの場合、父の遺産を法定相続分(2分の1)で配分した場合は不公平さが残ります。「争族」の原因にもなるので、「寄与分」を念頭におくことが遺言書作成時の重要な留意点です。
- 「特別受益」に配慮を
生前に、住宅資金・事業資金などの特別の資金援助を受けていた場合、「死亡時の財産」を単純に相続財産の対象として配分(遺産分割)した場合は、特別受益を受けていない相続人に不公平さが残ります。特別受益分を相続財産に加算(特別受益の持ち戻し)して、相続財産の合計額とし、これを遺産分割の対象とすべきです。
- 遺言書の「付言」事項を追加記載すること
なぜ法定相続人でない嫁や知人などに遺贈したのか、「特別受益の持ち戻し」をしたのか、「その理由」「わが家の歴史」「家族への思い」などを遺言書に追加記述することを「付言」といい、遺言者の心情理解と相まって「争族」回避には有益な手法の一つといえます。
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相続手続期限管理表
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